- 毎回無駄吠えして困っているんだけど・・・
- 撫でていいですか、って言ってくれるんだけど、甘噛みしそう・・・
犬連れキャンプにおいて、犬の「しつけ」はとても重要です。基本的なしつけが出来ていないと「せっかく楽しいキャンプに来たのに、犬の無駄吠えが気になってしまい全然楽しめない」という状況に陥ってしまうことがよくあります。
私コアラはキャンプを始めて5年かけて、様々なキャンプ経験を積むことができました。同時に、愛犬のPくんと一緒に過ごしたその5年の間、何度も失敗を繰り返し、たくさんの遠回りをしてきました。
この記事では、犬連れキャンプ初心者でも迷わずに努力さえすれば、楽しいキャンプを目指せるよう『犬のしつけの基本』となる考え方から具体的な無駄吠え対策の方法までまとめて解説します。
この記事を参考にして犬のしつけをすれば、犬連れキャンプで犬の無駄吠えにより失敗することはありません。
犬の無駄吠えを治すポイント
- まずは、命令をしたときに、吠えるように教える
- 次に、命令をしたときに、吠えることをやめるように教える
- 「待て」をさせて、落ち着かせる(要訓練!)
しつけの基礎基本
しつけという言葉には、いいイメージを持たれてない人も多いと思います。
私コアラがたどり着いた犬のしつけとは、「犬が常に平常心でいられる状態をつくること」です。
なぜなら、犬がリラックスして平常心でいられる状態を保てれば、犬は問題行動を起こさなくなるからです。
また、犬の問題行動が定着しないための習慣作りこそ、犬のしつけなのです。
しつけの具体的手順と項目
吠える、かみつく、飛びつくなどの問題行動は、すべて犬が刺激を受けて、興奮して反応した結果です。
いかに、刺激に対して反応しない。落ち着いた状態をキープできるかが鍵です。
そこで、どうすれば「犬が常に平常心でいられる状態」をつくることができるでしょうか。
それは、「落ち着くという経験」をたくさんさせてあげることです。
- しつけの基本は、「犬が常に平常心でいられる状態」をつくること
- そのために、「落ち着くという経験」をたくさんさせてあげること
子犬のうちに、「落ち着くという経験」を定着させてあげるのがベストです。しかし、大人になって問題行動が起きてからでもあきらめてはいけません。正直習慣化するのは時間がかかりますが、根気強くやれば必ず改善します。
犬の無駄吠えをなくすしつけ方
犬の無駄吠えを治すには2つのポイントがあります。
犬の無駄吠えを治す2つのポイント
- 命令をしたとき、吠えるようにする
- 命令をしたとき、吠えることをやめるように教える
無駄吠え訓練の事前に準備するもの
- おやつなどの褒美(ジャーキーなど好物の方が覚えが早いです)
- 犬が吠えるきっかけを把握しておく(例:猫や犬に吠えるときは、そこを通るときに練習する)
吠えろと言って命令したときに吠える訓練
- 「吠えろ」といって、命令してみる(犬が吠えるきっかけを与え、手でジェスチャーする)
- 吠えたらごほうびをあげる
以上を繰り返して、命令したときに吠える状態にします。
吠えるのをやめる訓練
- ワンワン!と犬が吠える
- 犬に、「待て」の合図を出す ※この際に、手で「待て」のジェスチャーをする
- 待てのサインを出しつつ、ご褒美を鼻先に持っていく。
- 犬は静かになったらごほうびをあげて、なでて誉める。
はじめは、簡単には吠え止みませんが、繰り返し教えてあげると学習して吠え止みます。
犬は臭いを嗅ぎながら吠えることができない習性があるので、ご褒美を鼻先に持っていくことで、吠えられなくなるのです。
犬の無駄吠えをなくすしつけ方法のポイント
- 「待て」をさせる
- 落ち着かせる(少しずつ我慢強くなっていく)
このステップを何回も繰り返すことで、犬の無駄吠えは格段に減り、「待て」のサインを出すだけで吠えが止まり、次第に無駄吠えをしなくなるのです。
上手にできたら、ほめたり、なでてあげるのを忘れないように!
無駄吠え対策は普段の散歩の中で訓練する
私コアラと愛犬Pくんも、子犬の頃はこの記事内容を知らずに過ごしたため、まだまだ100パーセントお利口というわけではありません。しかし、ストレスのかからない範囲で日々の散歩を通して「落ち着くという経験」を積み重ねています。
散歩に出発してから帰宅までの流れ
- 散歩準備
- おすわり、待て → ほめる
- 散歩出発・・・あとへ、つけ(脚側行進※を指示)
- (脚側行進※で移動)
- 緑地到着 よし → ほめる
- (リードつきで自由に行動)
- 散歩出発・・・あとへ、つけ(脚側行進※を指示)
- (脚側行進※で移動)
- いつも吠えるネコの家に到着 → 興奮状態になる
- 吠えたら → 待て、落ち着かせる、出来たらほめて出発
- 緑地到着 よし → ほめる
- (リードつきで自由に行動)
- 散歩出発・・・あとへ、つけ(脚側行進※を指示)
- (脚側行進※で移動)
- 自宅到着 おすわり、待て → ほめる
我が家のPくんは、各種の指示や興奮状態からの回復など経験を積み重ねて、少しづつ落ち着くようになってきています。
※脚側行進とは、人の左脚側に人の膝と犬の肩端が平行になる位置を保ちながら歩行する事。
犬のしつけ基礎を徹底解説
犬のしつけには、無駄吠え対策以外にもたくさんあります。
おすわり、注目、ふせ、おて、待て
犬は、お座りはもともと分かっている習性です。そのため、ちょっとトレーニングすればどの犬もできるようになります。また、おすわりのほかに、注目、待て、ふせ、お手は、他のことを教える基本とも言えるしつけです。これらは、人間と犬の信頼関係がどのくらい構築されているかのバロメーターになります。
期間があいてしまうと犬も忘れてしまったり、関係性が崩れてしまうことになりかねないので、この基本項目は極力生活の中に取り入れるように心がけています。
- 犬の顔を両手で優しく支える
- 自分の目と犬の目を合わせるように、顔を向かせる
- 「おすわり」させる
- 出来たら誉める
おいで(犬を呼ぶときにまっすぐに戻ってくるコツ)
何らかのきっかけで犬が飼い主から離れてしまったとき、危険な時などに必要な、とても重要な命令です。
- 家族共通で戻ってくる音を決める(犬の名前、戻れやbackなど)
- 名前を呼んでもずっと逃げ回っている犬は名前以外の音で(戻れやbackなど)
- 戻ってくる音で叱らない
- 戻ったら誉める&おやつ
ハウス(犬がケージやサークルにまっすぐ入るコツ)
基本的なトレーニング方法は、おいでと一緒です。
- 家族共通でハウスの音を決める(ハウス、おうちなど)
ハウスの音で叱らない
ハウスに入ったら誉める&おやつ
トイレ(犬がシートにおしっこするコツ)
トイレトレーニングについては、生活スタイルにより様々だと思います。我が家は、子犬の頃はシートでトイレをしていましたが、今は自宅の庭や緑地などの適正な場所でしています。成犬となった今は、トイレの間隔が長くなるので、朝夕の散歩と昼間のトイレタイム、就寝前のトイレタイムを設けています。たまに、クンクンしたり、玄関や窓へ誘うような仕草をしたら、庭にだしてあげます。ですので、室内の決まった場所でのトイレトレーニングは経験はありませんが、大切なことはわかります。決して失敗しても怒らないことです。
- 失敗しても怒らない
- うまくいったら誉めてあげる
- 決まった場所にするようなら、シートの位置をそこに置き、徐々に移動させる
飛びつき癖対策と社会化教育(触られても動じず飛びつかない)
散歩していると、家族以外の人に触らせる機会があります。そんなときに、興奮して飛びついたりすると、他人との交流ができないばかりか、散歩中の他の犬との交流もできません。小さい子の場合は、最悪飛びついたときに転んで怪我をさせてしまう可能性もあります。
対策は、正しい挨拶の方法を教えてあげることと興奮を抑えるトレーニングです。
- 犬が飛びついたら横を向く
- お座りをさせる
- 一定時間お座りしたらご褒美をあげる
- 以上、一連の流れを習慣化する
このトレーニングで習慣化することで、飼い主や他人に飛びつかなくなります。そして、どうなるかというと、「おすわり」するようになります。きっと他人にもお利口なワンちゃんですね、と褒められるはずです。
甘噛みや噛み癖を治す
犬が嚙むのには理由があります。犬の習性として、狩りをする訓練の名残りです。特に犬種によって猟犬の血筋は、特に噛み癖傾向が強いことも。ほっておくのは自分にとっても、他人にとっても危険なのでトレーニングをして改善させましょう。
- 飼い主の手を甘噛みする
- 痛い!と大声でいう → ニコニコせずに怒ったフリをする
- 犬は驚いて噛むのをやめる
次のステップは、噛んでもいいものと噛んではいけないものを教え込みます。
- 飼い主の手を甘噛みする
- 痛い!と大声でいう → ニコニコせずに怒ったフリをする
- 代わりにおもちゃを口にくわえさせる
おもちゃはいいけど、人間はだめなんだ、と噛んでいいものと悪いものの区別がつくようにさせます。
お留守番
一般的に犬は飼い主と離れるのを嫌います。1回の留守番は長くても5時間以内にするのが理想です。5時間以上の留守番が続くと飼い主と離れることの不安から、問題行動につながることがあります。また、留守番の前は散歩でエネルギーを発散させて、ご飯を与えましょう。散歩で発散して、満腹になった犬のやることは一つ、眠るのみです。こうすれば、飼い主も犬も穏やかに過ごすことができます。
- お留守番は長くても5時間以内
- お留守番の前には散歩でエネルギー発散した後、食事で満腹に
まとめ
この記事では、犬連れキャンプ初心者でも『犬のしつけの基本』となる考え方から具体的な無駄吠え対策の方法までまとめて解説しました。無駄吠え対策だけではなく、犬のしつけ方全般においても努力さえすれば、犬と一緒に楽しいキャンプを過ごせるようになります。
理想は子犬のうちから、少しずつしつけを身に着けることですが、成犬になってからでも遅くはありません。キャンプを楽しめるように、この記事を参考に犬と一緒に成長していきましょう!
それでは、また
キャンプエンジョイセンター所長 コアラ
この記事の執筆にあたり以下の文献を参考にしました。
- 散歩でマスターする犬のしつけ術
- 愛犬の問題行動が気になったらまずはじめに読む本
- 褒めて伸ばす犬の6つのしつけ方